1月9日土曜日は沖縄県八重山郡・西表島大原港近くの大原小学校でキビ刈りがありました。
隣接する農地を小学校が借り上げてそこでキビを栽培しています。年に一回この時期に
PTAをはじめ地域の人たちでキビ刈りをしていて、もちろん校長先生から職員の方、生徒も全員参加しています。収穫したサトウキビはそのまま製糖工場に持ち込み、販売します。この日の収穫量は24.5トン、糖度は13で約50万円の収益らしいです。売り上げは小学校の修学旅行やその他の経費に充てられます。
まず、生え茂ったキビはキビ刈り専用の機械車両で一気に根っこを切断して倒されます。その横たわっているキビを一本づつ選別し、葉っぱを切り落として一カ所にまとめるのが私たちの作業です。それをフォークリフトで道路に運んで並べ、まとめてトラックに載せて製糖工場に持ち込みます。そこで重量と糖度が測られます。地元の農家はこうして製糖工場にキビを売っているということですね。
作業が終わった後はお決まりの「打ち上げ」と称した飲み会があります。
大原公民館で行われた飲み会では地元で獲れたイノシシ料理や刺身も振る舞われました。みなさん互いに顔は知っていながらも日頃あまり付き合いのないことが多く、挨拶がてらに酒を飲み語らい、楽しく過ぎていく時間はあっという間でした。公民館の床に座って5時間が過ぎ、私はひざ関節の痛みに耐えかねてお先に失礼することになりました。その後は二次会、三次会になるようです。
私はサトウキビが砂糖の原料であることしか知りませんから、畑の仕方から販売に至るまでの話をいろいろ聞きました。キビ刈りの後はしばらく土地を休ませてから苗を植え、育っている間も雑草が栄養を摂らないように草刈りをする。同じ畑でも台風の影響が少ない年は育ちもいいし糖度も高いけど、台風が多い年はキビが曲がりくねっていて糖度も低くなる。キビ刈りは冬にやる、夏にやったら暑くて死んでしまう。だから春に苗を植えて1年半後の冬に収穫するのさ。などなど、とても刺激を受けた1日でした。
そして製糖工場が独自に販売するのか気にしたところ、皆さんの話によれば西表製糖は羊かんで有名な「とらや」に直接下ろしているらしいです。その他にも京都の和菓子屋さんが買い付けに来ているとか。この島の人たちが育てたサトウキビは天皇陛下のおやつになり、皇室のお膝元京都の街の和菓子となるわけです。そう想うと何か社会の連帯というか、縁(えにし)を感じますね。
この日の作業には地元の人たちだけでなく、このキビ刈りの時期だけこちらに来ている人たちもいました。
八重山の島々にはそれぞれキビ畑がありますから、八重山で暮らしてみたい方やこの島々で暮らし始めた方には是非、こうして地元の農作業に参加してみることをお勧めします。
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