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中国が引き起こした核被害の実態 【高田 純】理学博士

3月18日憲政記念館にて、日本ウイグル協会主宰シンポジウム「シルクロードにおける中国の核実験災害と日本の役割」が開催され、放射線防護情報センター代表 高田純(理学博士)による科学報告を兼ねた講演が行なわれた。冒頭から「日本は唯一の被爆国ではない、このことをしっかり自覚してほしい」と、中国が引き起こした重大な核被害の実態を語った。

中国が引き起こした核被害を報告する 高田純博士【3月18日憲政記念館】
 
中国が引き起こした重大な核被害の実態
 
この調査は2000年8月のカザフスタンのから始まった。
 
カザフスタンでは1949年からソ連によって核実験が行われていたが、その被害調査を依頼されたのが始まりで、そして提供された資料を調査していた。
その過程で、中国によって行われたウイグルでの核被害が最も大きいことがわかった。
 
以来、中国の核実験被害に注目し、密かにその調査を単独に進めてきた。そして中国政府が長年隠蔽してきた東トルキスタンでの史上最大の核災害についての最初の科学報告書を、北京五輪直前の2008年7月に日本の出版社から刊行した。
 
同年には国際放射線防護学会にて科学報告をしたが、最初でありながら最小の科学報告を慎重に行なった。それは会議報告の概要登録が、著書「中国の核実験」の出版前であったため、何がしらの妨害を避けるための方策だった。
 
ウイグル地区での核実験は、ソ連がカザフスタンで実施した400キロトンの10倍も大いメガトン級のもので、居住区での核爆発としては世界最大であった。地下核実験では、地下水を汚染し深刻な被害をもたらしている。それは人命を無視した犯罪である。
 
ソ連の場合は四国ほどの土地に鉄線を張り、住民が入れないようにして厳重に管理していたが、中国は何の管理もせず居住地域で実験を重ねていた。それがウイグル地方だった。
 
実験場はシルクロードの要所であった楼蘭の近くにあった。日中の国交が1972年に再開し、日本人が好んで訪れる観光地でもあったが、そうした地で中国は核実験を行なっていたのである。公共放送でも、この地の文明遺跡を紹介しているが、この種の話題に一切触れることはなかった。
 
米・ソでも被害者を保護しているが、中国では被害者への保障はまったくせず、原因不明の病気として無視している。
世界中からシルクロードに訪れる観光者にも被害があるが、これが国際問題でなくてなにを問題にするのか。
 
世界の反核運動はソ連やフランスを非難するが、中国には触れていない。さらに、唯一の被爆国を代表するかのごとく米国やフランスの核実験を声高に批判する日本の反核平和団体はこれまで中国の核実験については静観するばかりか擁護する発言すらあった。
 
中国はシルクロードを世界遺産に申請しているが、核ハザードの問題を差し置いて世界遺産に登録されるなど許されることではない。また、北朝鮮の核問題で、中国に6ヶ国協議の議長となる資格はない。
 

日本シルクロード科学倶楽部代表 高田純博士

日本シルクロード科学倶楽部代表 高田純博士

日本の役割

今日この場が「日本シルクロード科学倶楽部」発足の記念すべき日。
 
これは中国共産党が強行したシルクトードでのメガトン級大型核実験災害および核兵器関連施設周辺の公害に対する科学・医学調査を主とした人道的科学プロジェクトです。
 
20世紀半ばに中国共産党に侵略された東トルキスタン、チベット、南モンゴルでは人命を無視した恐怖政治が行なわれ、人権・人道に関わる様々な自由がそれらの社会で欠落しています。148万人以上が死傷したと考えられる楼蘭周辺でのメガトン級大型核実験と広範囲に持続する健康被害と残留する核汚染、そしてチベットの地にある核兵器関連施設からの公害による周辺の人々の健康被害が放置されたままとなっています。
 
これまでの調査プロジェクトを、中央アジアのシルクロード地域に拡大し、全貌を解明し人道支援することを目的とするプロジェクトにまとめることになりました。
これが今回新たな形で始められるシルクロード科学プロジェクトです。
 
シルクロードの地の悲劇は対岸の火事ではなく、中国の弾道ミサイルの標的となっている日本自身の問題でもある。この中国の核兵器問題を考える第一歩として、この脅威を日本から発信していきたい。
 
 
講演内容の要約として投稿しましたが、詳細は下記のリンクをご覧ください。
日本シルクロード科学倶楽部
放射線防護情報センター
 
 
国交正常化以来、3兆円ともいわれるODAをしてきた日本。民間投資を含めれば6兆円にも達するという。中国への援助は中止したというが、アジア開発銀行を通じて今尚行なわれている。空港建設や交通整備だけではなく、軍備増強に邁進し、日本に向けて多くのミサイルを配備している。これが日本と中国の現状である。

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