湾岸ハートプレイス Coastal Heart Place

大正六年の十銭

大正六年の十銭

大正六年の十銭

十銭硬貨というのは初めて見たが、実はこれ数年前に台湾でもらったものだ。かなり汚れた一元だと思って小銭入れに入れたままだった。

日本に帰ると台湾円は封筒に入れてパスポートと一緒にポーチに入れている。台湾に行くと日本円を封筒に入れて台湾円と入れ替える。
何度かその小銭を使おうとしたが、いつも返されてしまう。古いから旧貨幣だと思っていた。今は使えないのか聞いたところ、これは日本円だという。よく見たら菊の紋章だ。

大日本 大正六年 10SEN

大日本 大正六年 10SEN

「 大日本 大正六年 10SEN 」と書いてある。「大日本」でありながら「10SEN」とローマ字も書いてある。このころも国際通貨だったのか?

誰にもらったか定かではないが、台湾では使用できないこの硬貨をなぜその人は持っていたのか?私にあげるつもりで持ってきたのか?それを何年も気付かずにいた私も間が抜けた話だ。

この硬貨の汚れ方から察すると、古い家屋のどこかの隙間に何十年もはさがったままだったのだろう。大切に保管していた形跡はない。
くれた人を想像すると数人いるが、その人たちの祖父は旧日本軍人として大東亜戦争を戦った人だし、その世代の人たちは日本と関わりが深かった。もしかすると台湾で流通していた硬貨かもしれない。

めぐりめぐって私のポケットに入ってきたのは何かの縁なのか。

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